アイルランドのドライブ事情
アイルランドは、信号が極端に少ない国です。というか、大都市以外、信号はほとんど無いです。アイルランドの大都市は、ダブリン、コークぐらいのものですから、普通の小さな町などには信号機はありませんし、必要も無いようです。アイルランドの人口密度はとても低く、しかも多くがダブリンに集中してしまっているので、アイルランドをドライブすると、一歩町の外に出た途端に何もない草原の一本道をひたすら走ることになります。でもそれが本当に心地良い!信号が無いのはもちろん、景色をさえぎる建物も、看板も何も無いんです。牧草地=草原や荒涼とした荒野の風景は、アイルランドの典型的な自然の風景。しかも、氷河に削られて出来たその地形は、ただの平地ではなく緩やかな丘の連続なので、運転していても決して単調ではありません。
そしてこの国中に広がる牧草地には、当然ながら羊や牛がどこにもかしこにも放牧されています。道端の空き地で車を止めて休憩をしていると、どこからともなく視線を感じ、振り返ると後ろから牛が首を出して見ていた・・なんていうことはざらです。民宿やカフェの庭に羊が入り込んでも、誰も気に留めません。春から夏にかけてドライブすれば、可愛い親子連れの羊の姿も見られます。時には道に迷い込んでしまった子に出会うこともありますが、ほとんどの道は石垣や生垣で囲われているので、家畜が道に入ってくる事はそれほど多くはありません。羊の群れをまとめるために飼われているボーダーコリーも、本来の姿で広い荒野を駆け回っています。
そんな快適なアイルランドのドライブですが。大変なのは牛や羊を連れて移動中の農夫と出くわした時。牛や羊が道を横断しはじめたり、細道で彼らと入り混ざってしまったりした場合は、あきらめて腹をくくりましょう。決して急いではなりません。そんなシチュエーションを楽しんでしまうのが何より賢明です。大きなコンバインなど、農業用の作業車の後ろについてしまった場合も同様です。時により、芳しい田舎の匂い付きの時もありますよ。でもにっこり我慢。曲がりくねった丘の道で、安全に追い越しをかけられる場所に出るまでは、のんびりとコンバインの後についていきましょう。幸い、コンバインが長い距離を走ることはありません。そこそこ走ると脇道へ入ってくれますから。アイルランドでは(少なくともダブリンの外では・・)、誰も急いだりしません。時間がとてもゆっくりと過ぎていくのも、アイルランドのすてきな特徴のひとつなんです。