ニューグレンジ遺跡見学の粋なクライマックスとは?
アイルランドの遺跡の中でも最古の部類に入り、世界遺産にも登録されている、ニューグレンジの塚についてお話しています。ここでは前回の項に続き、遺跡見学の実際の様子についてご紹介しましょう。少人数グループに分けられて順番待ちをした後は、いよいよ塚の中へ入るツアーが始まります。
【自然の風景の中にたたずむ遺跡】
ビジターセンターでの待ち時間が終わり、指定された時刻になったら、見学者はまずバス乗り場へ集合、短時間ですが遺跡まではバスに揺られての移動です。遺跡の周りには、余分な施設や土産物屋などの建造物は一切ありません。遺跡と周辺の景観をまとめて保存しているのです。まず入り口前でこの遺跡のアウトラインや周囲に配置された巨石、遠くウィックローから運ばれて来たとされる装飾の石などについてのガイドの説明を聞き、いよいよ塚の内部へ入っていきます。狭い通路を抜けると、びっくりするぐらい天井の高い広間にたどり着き、火葬を施された人骨が収められていたという大きな石鉢や、高度な防水機能を今なお保っている天井の石組みなどを見学する事ができます。
【ニューグレンジ見学のハイライト】
そして、ニューグレンジ見学のクライマックスである神秘的なアトラクション、冬至の太陽光の再現イベントが始まります。ニューグレンジの塚の入り口には、頭上にルーフボックスと呼ばれる小さな窓が開けられていて、この窓は、1年に1度、冬至の日にだけ、日の出の最初の光が塚の一番奥まで刺し貫くように設計されているのです。ガイドの説明にしたがって、まず石室内の明かりが消されると、周囲は漆黒の闇に包まれます。思わず息を呑む暗さに身を浸していると、やがて入り口のほうから、冬至の日の出の太陽光を再現した明かりがゆっくりと差し込んでくる・・という趣向です。塚の内部まで見学でき、ゆっくりと説明が聞けて、おまけに年に一度の神秘的な光景が疑似体験できるので、少々待たされてもお釣りが来るぐらい楽しめるニューグレンジ。遺跡としての素晴らしさはもとより、アイルランドが世界に誇るだけある優れた施設だと思います。