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湖畔に眠る石の都、グレンダロッホ


ダブリンから北に広がる丘陵地帯の観光名所として、豊富な遺跡の数々についてずっとお話をしてきましたが、今度はダブリンの南側の見どころについてご紹介したいと思います。北の見どころは殆どが歴史に関わるスポットですが、ダブリンの南にあるウィックロー州を中心とする地域は、史跡と雄大な自然の景観の両方がバランスよく楽しめるエリア。歴史の遺物ばかりではちょっと堅苦しくて退屈という人にも楽しめる見どころがいっぱいです。

【湖と山に囲まれた静寂の遺跡、グレンダロッホ】
森と湖に抱かれたグレンダロッホの遺跡群<br />
ダブリン基点の日帰りツアーの中でも一番人気なのが、このグレンダロッホです。石造りの大きな三角屋根が特徴的な教会と、完璧な姿で残るラウンドタワーに象徴されるグレンダローの風景は、ことあるごとにアイルランド観光の目玉として登場するので、どこかで写真をごらんになった方も多いのでは?

アイルランドの島は、変化に富んだ地形が美しい島ですが、高い山というのがありません。山と呼ばれているものは幾つかありますが、日本の山に比べれば、はるかに低いものばかり。ウィックロー州はアイルランドの中でも山の多いところですが、それでも標高は700メートル前後。氷河が作り上げた丘のような山々と渓谷が織り成すウィックローの大地の懐に、2つの湖をたたえたグレンダロッホの谷は、遥か6世紀の昔、聖ケビンという名高い修道僧がこもって修行した1つの聖地。そこに時と共に次第に人々が集まって、数世紀をかけアイルランドの初期キリスト教の一大中心地へと発展していったということです。

グレンダロッホの開祖、聖ケビンの教会難しい歴史はさておき、グレンダロッホは遺跡の保存度がとても高く、深い森と湖のふところに、往時の姿をとどめる修道院や僧坊、ラウンドタワーがたたずんでいる風景は、絵葉書のようにきれいです。清浄な空気の中、たたずむ無数のケルト十字架(こちらの遺跡のケルティック・クロスは、モナスターボイスのハイクロスとは異なり、普通の墓標なのですが)も、静寂の空間をいよいよ神秘的なものにしています。誰もがこの空気の中に浸されているだけで、心が満たされていくのを感じることでしょう。

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