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誰より演奏家が一番楽しむ音楽、セッションとは?

演奏家自身が誰より楽しい音楽音楽でセッションというと、一般的にはまずジャズを連想する人が多いかもしれませんね。アイルランドの音楽にもセッションという演奏形態があり、ジャズのセッションとは全く違った独特の世界を作り上げています。ここでは、一風変わったアイルランド音楽独自のセッションについての豆知識、その楽しみ方について触れておきましょう。

アイリッシュ・ミュージックのセッションでは、おもにダンス・チューンと呼ばれる伝統的なダンスのための音楽を演奏します。楽譜は基本的に用いません。あるのは16小節ほどのパターンを基本とする短いメロディーだけです。チューンと呼ばれるこれらのメロディの中には、かなり長いものもありますが、いずれも8小節位の単純なフレーズを組み合わせたもので、聞いた感じはフォークダンスのようなノリの良いシンプルな音楽です。チューンには幾つかリズムパターンがありますが、いちばん演奏頻度の高いのは4分の4拍子でテンポの速いリール、揺れるような8分の6拍子のジグです。他にもポルカやホーンパイプ、スライド、スリップジグなどのリズムがあり、地方によってこれらが盛んなところもあります。

アイリッシュ・ミュージックのチューンの数は膨大で、古いものもあれば新しく作曲されて定着していくものもあるので、その数は無限といってもよいでしょう。楽譜もたくさん出版されていますが、その分厚さと曲の多さには圧倒されます。しかも基本的にアイリッシュ・ミュージックの演奏家たちは、このチューンを全て耳から覚えて自分のものにしていくそうです。その上、ミュージシャンが演奏する時は楽譜に表せないような独自のアレンジをほどこし、それがメロディにさらに深みを与えています。アイリッシュ・ミュージックは今やCDもたくさん出ていて、日本で買えるものさえありますが、現地での生の演奏をひとたび聴いてしまうと、録音されたものには無いエネルギーと魅力に満ちていて、この音楽に嵌った人々が世界中から集まる理由もわかる気がします。