ファーストフードの定番といえば?
【ミルクの注ぎ足しはご自由に】
さて、ジャガイモや豚肉、ラム肉、魚介と並び、アイルランドで生産や消費の多い食品は酪農品です。アイルランド人のミルクの消費量は半端ではなく、スーパーマーケットで売られている
ミルクのパッケージは、家庭用には2リットル入りボトルが一般的。これらのミルクは、まず朝食のシリアルにたっぷりかけられ、料理に使われ、それからイギリス人より紅茶好きと言われるアイルランド人達の紅茶に、一日を通して注がれます。食卓にはミルクの入った大きなピッチャーが置かれ、セルフサービスのレストランやカフェでもミルクは砂糖や塩コショウと同様、自由に使える食材として通っているようです。
【ボリュームたっぷりのフィッシュ・アンド・チップス】
ご利用自由の調味料といえば、これはアイルランドだけでなくイギリスも共通ですが、酢の瓶もテーブルの必需品です。米などを原料とする日本の酢と違い、こちらの酢は麦から作られるモルトビネガー。そして、この酢がどんな料理より景気良くたっぷりかけられるのは、ファーストフードの定番フィッシュ・アンド・チップスです。
イギリスの伝統的なファーストフードとして根強い人気のフィッシュ・アンド・チップスは、アイルランドでもお決まりのテイクアウトフード。たっぷり熱々な揚げ芋に、特大のフィッシュフライをラフな包み紙でくるんでくれるフィッシュ・アンド・チップスには、このモルトビネガーをこれでもかとたっぷりかけて食べるのが基本です。チップスというと、私達は薄切りのポテトチップスを思い浮かべますが、こちらでは日本でフライドポテトと呼ばれるスティック状の揚げ芋のことを指します。ホクホクの熱い芋と柔らかい白身フライにビネガーの取り合わせは、一度食べたら病みつきです。
テイクアウトだけでなく、お店のプレートで食べる事もできるフィッシュ・アンド・チップス。椅子に座って食べていると、並ぶメニューには他にビーンズ・アンド・チップスや、ただのビーンズ、そしてピーズなどというものも目に付くことでしょう。ビーンズはいわゆるベイクドビーンズで、缶詰のものがそのままお皿に盛られて出てきます。ピーズというのはグリーンピースで、こちらは茹でて薄味をつけただけという感じのもの。いずれも半端じゃない量がどさっと盛られてきます。素朴過ぎるお豆の扱いですが、こちらの芋や豆は日本のご飯にあたるものと考えれば納得がいきますね。取れたてのピーズは甘くてほくほく、豆好きには結構たまらないものがあります。そして、アイルランドに嵌まって何度も足を運んでいるうちに、こんなワイルドな食卓がだんだん懐かしく、それなりに楽しめるようになっている自分に気付きます。そういう不思議な魅力が、アイルランドという国にはあるのです。