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アイリッシュ・レースゆかりの街と、天使に捧げられた最果ての島


【レースで栄えたケンメアの街】
アイルランドにはカラフルで可愛らしい町並みが少なくありませんが、ケリー周遊路の南の基点ともいえるケンメアの街も、その例に漏れません。街角には花があふれ、趣向を凝らした外観で楽しませるパブは、パステルカラーの愛らしい色彩。アイリッシュ・クロッシェ・レースと呼ばれる、立体的な花のモチーフが美しいレース編みの産地としても知られた町でもあります。アイリッシュ・レースには、農作物が立ち行かなくなった飢饉の中での活路として産まれた歴史があり、貧しい農婦たちによって編まれたのが始まりですが、今は特産品としてヘリテイジ・センターでの実演を見学する事もできます。また、海に面した地の利を活かした海鮮料理もたいへんおいしく、優秀なシェフが腕を振るうお洒落なレストランやカフェが立ち並び、散策するにも楽しい街です。

【断崖に残る奇跡の修道院跡、スケリッグ・マイケル】
スケリッグ・マイケル。「ミカエルの岩」と呼ばれるこの島は、アイルランドの本土から12キロも離れた大西洋上の岩礁です。あのモン・サン・ミシェルと並び賞されることも・・でも、秘境感はアイルランドの方が上?急峻な断崖の斜面に、まるでへばりつくようにして残る異形の修道院跡が今も当時の姿をとどめ、初期キリスト教の貴重な遺跡のひとつとしてユネスコ世界文化遺産にも登録されています。

尖った岩礁から成るこの絶海の孤島に、始めて修道士が入ったのは490年との記録があり、それから約1000年の年月をかけ、断崖の急斜面には2300段という石段が、また頂上には石を積み上げた礼拝堂が造られました。修道士たちは同じく石を積み上げた蜂の巣のような小さな僧坊に住み、祈りを捧げ、瞑想の日々を送りました。フランスのモン・サン・ミッシェルなどとも比較され語られる遺跡ですが、その環境の厳しさにおいては他を寄せ付けないでしょう。

今は愛らしいニシツノメドリ(パフィン)やカツオドリ、ミズナギドリなどの海鳥の貴重な棲家となっているこの島ですが、天候が許せば小さなボートで島に渡るコースも。ただ遺跡保存のために渡航には制限があるので、興味のある人は前もって調べてから訪れるとよいでしょう。たとえ島まで渡るのは難しくても、天気さえ良ければ本土の海岸から見る事もできるので、もしお天気の良い日に西の突端を通る事があれば、ぜひこの島を探してみてくださいね。

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