アイルランドのメンタリティ
司馬遼太郎氏が著書の中で「百戦百敗の民」と称したように、アイルランド人は1000年近くもの間イギリスの圧政の下に苦しみ、反乱を起こしては鎮圧されるのを繰り返してきた人々です。その駄目っぷりは、アイリッシュ特有のメンタリティーからくるものかもしれません。悪く言えば怠け者、別の角度から見れば夢想家。
組織だって行動する事が何より苦手で、楽しむこと、夢見ることが好きで、現実の戦いに負けながらも昔の英雄譚をひたすらに語り継いできた人々。貧しい中でも音楽やダンスなど自前の娯楽を豊かにはぐくみながら、自分達は本来優れた民族であり、最後には必ず勝利を得るのだという不屈の精神だけは延々と保ち続けた人々。でも最終的には本当にきちんと独立国を作り上げたのですから、アイルランド人の粘り勝ちというより他ありません。
アイルランド人は、長い歴史の中でも後進国として思い切り田舎者のレッテルを貼られて来た民族ですが、政治的、経済的に遅れはとったものの、文化的な面では他にひけを取らないどころか、
むしろ独特で秀でた感性を持ち、芸術面にずば抜けた才能を持った人々であることは、輩出された多くのアイルランド系文学者やアーチスト達の存在を見ても明らかでしょう。豊かなケルト神話や妖精譚、スウィフトやワイルド、イエーツ、ジョイスなどの文学者、そしてあのビートルズも、みなアイルランド系の血筋なのです。
アイルランドの歴史について、ここで長々とお話する事は避けたいと思いますが、アイルランド紛争の原因でもあるイギリスの圧政と、多くの移民を出したジャガイモ飢饉、この2つについてだけは最低チェックしておくのが正しいでしょう。アイルランドという国を知るために避けては通れない要素です。次項では、歴史が与えたこの2つの試練について、簡単に触れていきましょう。
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