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本場のセッション体験記、前編


セッションのスタートは、夜もすっかり更けてから・・アイリッシュ・ミュージックの本場でのセッションの様子は、こんな感じです。まず開始時間・・定刻に始まったためしがありません。でも、そんなことでカリカリ言ってはなりません。アイリッシュ・タイムといえば30分は当たり前、1時間遅れて始まることすらあります。9時開始ということは10時開始とイコールと考えましょう。そこは気長に、まったりとギネスやドリンクを味わいながら、ミュージシャンの到着を待ちます。なんといっても、ここはアイルランド。日本ではないのです。

夜も更けて来た頃(夏なら10時でもまだ薄明るいのですが・・)、色々な大きさや形の楽器ケースを携えた演奏家が一人、また一人とパブの扉を押して入ってきます。遅れても全く気にしている様子も無く、パブ側もニコニコ、咎める様子も全くありません。おおらかなものです。

演奏家が数名集まれば、いよいよセッション開始です。たとえ初めて出会う者同士でも、同じチューンさえ知っていれば一発で合わせてしまいます。演奏家はテーブルを囲んで座っているので、聴きたい人は背後から覗き込むか、BGMとして彼らの演奏を聞くしかありません。ただしミュージシャンと親しくなれば、彼らの輪に混ぜてもらうこともできます。その輪の中や、比較的近くで生のアイリッシュ・ミュージックを聴いていると、さすがにダンス音楽だけあって、自然に体が動いてしまいそうな心地よさ。先に誰かが弾きだせば、みんなが後から適当にばらばらと加わるアバウトさとは裏腹に、聴いているうち次第にじわじわと内側から熱くなってくるような感じです。

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