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本場のセッション体験記、後編


アイリッシュ・ミュージックをCDなどの音源から聴くのと、生演奏をパブでじかに聴くのとは、まるで違った体験です。だらだらと遅れてやってきたミュージシャンに愛想をつかしながらも耳を傾けていると、嫌でも体が動いてきて、気づくと心地よく熱くなっている自分がいます。あふれる音の流れの中に身をゆだねているのが、なんだか気持ちよくなってきます。

本当の事を正直に言ってしまえば、演奏しているミュージシャン達は全く無愛想で、お客のことなどまるで構わず自分たちで勝手に楽しんでいます。演奏の合間はお喋りしたりお酒を飲んだり、煙草を吸ったり(注:現在はパブでの喫煙は全面禁止になっています)、一般客とやっていることは全く変わりません。むしろ図々しいくらい。なのに、いざ演奏が始まると、半端じゃなくタフなエネルギーとグルーブ感。ぱっと見はただのおじさんとか、やぼったい感じの田舎のお兄ちゃんなのに、ミュージシャン達がどんどん魅力的に、さらに神々しいくらいに見えてきます。呆れるほどのいい加減さと裏腹の、この無尽蔵のパワーは一体何なのでしょう?

セッションでは、楽器演奏だけでなく、時には歌やお話が披露されることもあります。歌は基本アカペラですが、1曲歌い終わるまで店中の人が黙って静かに聴くことを強要されます。いつまでも喋っていると、知らない人から注意をされてしまう程の徹底ぶりです。アイルランドに古くから伝わっていたストーリーテリングのなごりなのでしょうか。

フィドル(バイオリン)やフルート(木製のもの)、イーリアンパイプと呼ばれるアイルランド独特のバグパイプなど、楽器の音色も魅力的なアイリッシュミュージック。音楽の好きな人ならぜひ一度、アイルランドの生のセッションを体験してみてください。きっと、虜になってしまいますよ!

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