渦巻く抽象模様が神秘的なタロー・ストーン
ゴールウェイの町の近くには、ダイサート・オディーの他にも面白い遺跡が残っています。その中で、ちょっとマニアックなスポットをひとつご紹介しましょう。ゴールウェイから西へ少し行ったところに、ロッホリーという小さな町があります。特に何があるというところではないのですが、考古学好きにはたまらない、ひとつの石で有名なところです。
【ラ・テーヌ文化の流れを汲んだ美しい渦模様が見どころ】
その石の名は、タロー・ストーン。ロッホリーの町から北へ6キロほどの郊外にある、タロー・ファームという農場施設の中に建っています。上面がドーム型に円く形作られた、ずんぐりとした石で、高さは人のせいぜいお腹か胸ぐらいまでという小さなものですが、その表面にくっきりと刻まれた独特の文様は、ヨーロッパ大陸中央部のケルト発祥の地に端を発する、ラ・テーヌ文化の様式にのっとった文様で、アイルランドに数多く残るケルト遺跡の中でもちょっと特別な存在なのです。タロー・ストーンの表面には、たくさんの巴紋と、そこから発したうねるような線とが互いに干渉しあって複雑に絡み合い、特徴的なラッパ型模様と渦模様が連続して掘り込まれています。イギリスやヨーロッパ各地に残るラ・テーヌ文化の遺物や、エトルリア、ギリシャの文化とも呼応した神秘の模様です。
【遺跡見学は無料、おおらかさもアイルランドらしい?】
タロー・ファームは、牛や羊の歩き回る観光牧場のような施設で、入場料も要りますが、タロー石を見るだけなら無料で入れてくれます。休業中であっても、遺跡への出入りは自由にできるようになっているという親切さです。羊がのんびり草を食む横でこの石と向き合って、太古のロマンに思いを寄せる・・そんなアイルランドならではのひと時が過ごせるでしょう。ちょっとマイナーなスポットではありますが、小さくても秀逸な美しい遺跡なので、近くを通る予定があれば、ぜひ立ち寄って欲しい場所のひとつです。